甲状腺機能低下症ってナニ?

 

甲状腺機能低下症って?

甲状腺機能低下症は、甲状腺の機能が不十分、又はその他の要因により、甲状腺ホルモンが不足する病気です。

甲状腺機能低下症の原因として、以下の様なものがあります。

 

<主な原因>

●橋本病

●ヨード不足。

●甲状腺癌やバセドウ病の治療のために、手術やアイソトープで、甲状腺の全部または一部を摘出した

 り破壊した。

 

<稀な原因>

●下垂体機能低下症。(甲状腺ホルモンの分泌を促すTSHが正常に分泌されない)

●先天性の甲状腺ホルモン合成障害

 

<一過性の甲状腺ホルモン低下>

●抗甲状腺剤(メルカゾールなど)の効きすぎ

●妊娠後のホルモン分泌異常。

 

 

甲状腺機能低下症の主な症状

甲状腺機能低下症では、代謝が低下します。

 

●脈が遅くなる

●精神的な落ち込み、抑鬱、頭の回転が遅くなる

●汗をかきにくい、寒い

●便秘

●体重増加、むくみ

●皮膚のカサつき

●脱毛

 

 

甲状腺機能低下症の治療法

甲状腺は、T3とT4という甲状腺ホルモンを分泌しています。

T3は体に対して活性であり、体内のT3の20%は甲状腺で、のこりの80%は体のあちらこちらでT4をもとにつくられます。T4は体に対して不活性で、すべて甲状腺で作られています。

 

甲状腺機能低下症の治療は、一般的にTSHを正常に保つのに適量のT4製剤のみを服用します。

T3は即効性であり、適量を保つには、1日何回にも分けて服用しなければならず、コントロールが難しいといわれています。T4は持続性があり効き目が緩やかで、末梢器官で必要な量のT3がT4をもとに作られるため、1日1回の服用で済みコントロールも楽なため、T4のみによる治療が一般的です。

 

甲状腺機能亢進症よりも低下症の方が、治療に使用する薬の副作用がない、甲状腺ホルモンの量がコントロールしやすい、内科的に安全といわれています。

このため、バセドウ病の手術やアイソトープ治療では再発を防止するため、故意に低下症にして、T4を服用して補充するするという治療法がとられるケースも多いようです。